【SDGs】『食品ロス』が地球温暖化に影響する仕組みや私たちにできること
地球の温度が上がり続けていることを感じずにはいられない現在。
地球温暖化の大きな原因の一つである「食品ロス」への理解を深め、「私たちにできることは何か」を皆様と一緒に考えるために今回の記事を作りました。 農林水産省によるデータなどを参考にさせていただいています。
食品ロスとは
『食品ロス』とは、本来食べられるのに捨てられてしまう食品のことを言います。 そして食品ロスは大きく次の2つに分けられます。
一つは「事業系食品ロス」。 これはスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店で出される売れ残りや返品商品、飲食店での食べ残し、売り物にならない規格外品など。
もう一つは「家庭系食品ロス」といって、一般家庭から廃棄される食べ残しや賞味期限・消費期限切れのものなどを指します。
日本の食品ロス排出量
農林水産省により公表された令和3年度の食品ロス量は523万トン。
その内訳は事業系食品ロス量が279万トン、家庭系食品ロス量が244万トンと、ほぼ半々の割合だということが分かります(出典:農林水産省)。
食品ロスが地球温暖化に影響する仕組み
食品ロスが原因で発生する温室効果ガスの量は自動車とほぼ同じと言われています。
食品廃棄物は一般的に焼却処理され、その過程で二酸化炭素が排出されます。 また、焼却処分後の灰は埋立地に処分されることが多く、その過程ではメタンガスが発生。
国や地域によっては焼却処分されず、そのまま埋め立て処分されることもあり、その過程においても同様にメタンガスが発生します。 メタンガスは二酸化炭素の約25倍の温室効果があるので、どちらの処分方法も地球温暖化を加速させていると言えます。
温室効果は生命が地球上で生きていくのに必要なものではありますが、効果が大きくなり過ぎると逃げていくべき熱が放出されず地表に溜まり、気温が上昇してしまいます。
地球温暖化が食品値上げに影響する背景
地球温暖化がこのまま進んだ場合、私たちの暮らしが更に大きな影響を受けるのは、誰もが想像できること。 現に、身近なものでは2022年から食品の値上がりが止まりません。
その背景には歴史的円安やロシアのウクライナ侵攻など世界情勢によるものもありますが、猛暑や干ばつなど、天候不順による食料の不作という地球温暖化に起因するものがあることも、ニュースや各メディアによって数多く報じられています。
オリーブオイルは、5月納入分から販売価格が23〜80%引き上がったとされていて、その原因は世界一のオリーブオイル生産国であるスペイン全土を襲った大干ばつです。 スペイン内で「過去100年で最悪の干ばつに見舞われた」として非常事態を宣言した州もあり、問題の深刻さは計り知れません。 生産者の方たちも農園存続の危機にさらされています。
私たちにできること
例えば、使い切れずに捨てた食材。
もったいないことをしたな、と思ったところで私たちの意識は止まってしまいがちですが、捨てた野菜、肉や魚が処分され、少しまた少しと地球の温度を上げることになるのです。
食品廃棄物をゼロにするのは難しいですが、“命”を無駄にした一つの「もったいない」はそれだけでは留まらず、巡り巡って私たちに返ってくるという意識を持たなければなりません。
個人でできることは、買い物の際にすぐ食べられる商品は「てまえどり」をする、買ってきた食材をすぐに使い切れない場合は冷凍する、外食する際は食べられる分を注文し、食べ切れない時は持ち帰りができないかお店に聞く、など沢山あります。
「自分にできることはなんだろう?」と一人ひとりが考え、実際に行動に移すことが何より大切ではないでしょうか。
※掲載している情報は2024年7月9日時点のものです